2010年11月15日

本当にこれが正しい規制なのか

先日、宅建業協会主催の勉強会に参加してきました。
今回のテーマは国土交通省が来年施策する予定の賃貸住宅居住安定法案についてでした。

以前こんなニュースがありました。

家賃滞納を理由に無断でマンションの鍵を交換され、閉め出されたとして、借り主の男性(37)が貸主の大阪市の不動産会社に慰謝料などを求めた訴訟の判決で、大阪簡裁は22日、約65万円の支払いを命じた。
〜中略〜
 判決によると、男性は昨年2月、賃料月4万3500円の賃貸住宅に入居。数回の滞納を理由に8月下旬に鍵を交換されて閉め出され、10月にも鍵を交換された。

これは大阪での事件ですが、沖縄県内でも同様な事件が起こっています。

無理矢理鍵を交換した不動産会社が一方的に悪いのでしょうか?

残念ながら私はそうは思いません。
大家さんだって慈善事業で大家業を行っている訳ではありません。
殆どの方は家賃収入からローンの支払いを行ったり、生活費のすべてを家賃収入でまかなっている方もいらっしゃいます。

入居の際にちゃんと約束をしたはずです。
「家賃を決められた日に払う」と。
その約束を守らなかったのは入居者本人です。
もちろん鍵を勝手に交換するという方法はやり過ぎです。
しかし大家さんには自分の収入を守る権利がある、ということを分かってもらいたいです。

先述の事件が頻発することから国土交通省では大家さんや管理会社、不動産会社を対象に、家賃の取り立てを規制する法律案を策定しました。
これが「賃貸住宅居住安定法案」です。

この法案では家賃の取り立てに関して厳しく規制されています。
違反すると刑事罰として懲役刑または罰金刑が科せられます。

この法案で一番困るのは誰でしょう?

誰でもない借りる側、つまり入居者側です。

この法案で家賃の取り立てが難しくなるのなら、入居時の審査がこれよりもかなり厳しくなるはずです。
連帯保証人を更に増やさなければいけなかったり、職業で差別されたり、高齢者は入居ができなくなったりすることも考えられます。また入居者はこれまで以上に余計な負担(保証料など)が増える可能性大です。

当たり前です。大家さんはちゃんと家賃を払える人でないと絶対に入居させたくありませんから。


この法案で誰が得をするんでしょう?
まともに家賃を払うまともな人は損をするばかり。
得をするのは家賃を払わず逃げる人だけ。

もう少し審議が必要だったのでは?と疑問に思います。


本当にこれが正しい規制なのか



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Posted by FP事務所エレファントライフ at 00:00│Comments(0)FPコラム
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